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2026.06.01NEW
福岡市 vs 北九州市の人口データが示す今、不動産を買うべきか
皆様お元気でしょうか。2026年も残すところ半年となりました。株式会社みぞえでは売買仲介に注力しております。
2026年5月末、総務省から2025年国勢調査の速報値が公表されました。そこに映し出されたのは、同じ福岡県内にある2つの政令指定都市の、あまりにも対照的な現実です。
片や全国トップの人口増加を続ける福岡市、片や全国最大の人口減少に直面する北九州市。この「同県内の二極化」は、不動産を取得すべきかどうかを判断するうえで、極めて重要なシグナルを発しています。インフレと金利上昇という経済的な逆風も重なる今、あらためてデータをもとに整理していきます。
2025年国勢調査の速報値によると、福岡市の人口は前回2020年調査比3.2%増の166万3,892人となり、増加率は全国20の政令指定都市の中で首位となりました。
区別に見ると、東区が5.34%増、中央区が5.29%増、博多区が4.84%増と続いており、都心部のオフィス供給増などに伴い、市外からの転入が着実に増加しています。
一方、北九州市の状況は深刻です。今回の国勢調査で人口減少数が最も大きかったのは北九州市で、実に3万5千人の減少となりました。2025年9月時点の人口はすでに90万人割れ目前まで迫っており、これは1963年の市制発足以来、初めてのこととなります。
同じ福岡県内でありながら、人口が増え続ける都市と、縮み続ける都市。この構造的な差は、不動産市場に直接、そして大きく影響してきます。
人口動向とは別に、マクロ経済の環境も不動産購入の判断を難しくしています。
金利面では、日本銀行は2025年12月の金融政策決定会合で政策金利を0.75%程度に引き上げており、これは30年ぶりの水準です。さらに市場では2026年6月の会合での追加利上げを高い確率で織り込んでおり、変動金利型の住宅ローンを利用している方や、これから借り入れを検討している方にとって、返済負担の増加は避けられない流れとなっています。
コスト面では、昨今の物価高を背景に管理費・修繕積立金は増額傾向にあり、変動金利かつ返済期間が50年の住宅ローンを借入限度額いっぱいに組んでしまうと、金利上昇や管理費増額に耐えられなくなるリスクがあります。月々の返済だけでなく、保有後のランニングコストも含めた資金計画が、これまで以上に重要になっています。
ただし、インフレには不動産にとって追い風の側面もあります。賃料の上昇が不動産価格を下支えしており、金融機関の貸し出し姿勢も依然として積極的であることから、不動産投資家は金利上昇をある程度許容しています。一概に「今は買い時ではない」と断言できないのも、この市場の難しさです。
2026年の公示地価において、福岡市の住宅地の平均変動率は全国の県庁所在地別で東京23区に次ぐ2位の上昇率を記録しており、高い地価上昇が継続しています。
長期的に見ても、福岡市の住宅地平均価格は1977年に1平方メートルあたり3万3,300円だったものが、2026年には25万8,100円となっており、この半世紀で約7.8倍にまで上昇しています。
2026年の市場データでは、福岡県全体の地価は平均で前年比4.8%の上昇を記録しており、都心再開発の波及、半導体・物流関連の企業進出、そして建築コスト高止まりによる中古物件への需要集中が主な押し上げ要因となっています。
上昇の勢いは以前より鈍化しているものの、需要の構造的な厚みは依然として維持されており、少なくとも短期的な急落は考えにくい状況です。
不動産を「取得すべきか否か」
【福岡市で自己居住(実需)を検討している方】
慎重ながらも検討する価値はあります。人口増加と再開発が続く駅近エリアの物件であれば、長期保有で資産価値を維持できる可能性は高い。ただし、変動金利で目一杯借りることは避け、将来の金利上昇を想定した返済シミュレーションを必ず行ってください。
【福岡市で投資目的での取得を考えている方】
賃料上昇を背景に若年層の持ち家志向が高まっており、賃貸需要と投資需要の両方が維持されています。エリアと出口戦略の精査が前提となりますが、インフレヘッジとしての有効性は一定程度あります。ただし利回りの圧迫と管理コスト増には十分な注意が必要です。
不動産の価値を長期的に支えるのは、突き詰めれば「そこに住む人の数」です。同じ福岡県内であっても、政令市トップの人口増加率を誇る福岡市と、政令市最大の人口減少が続く北九州市では、リスクとリターンの構造がまるで異なります。
インフレと金利上昇という逆風が吹く今だからこそ、「需要の厚いエリアか」「出口(売却・賃貸)の選択肢があるか」「無理のない資金計画か」という3つの軸を必ず確認してから、取得の判断を下すことをお勧めします。
株式会社みぞえ 馬場
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